May 06, 2018

ウォードoverチャッブ

 ここからプレシーズンまで、各ドラフティーの紹介というかピックの感想というかそんなやつ。納期は8月。

1-4 CB デンゼル・ウォード Denzel Ward(オハイオ州立) 5-11/183 40yd4.32

 デンゼル・ウォードの全体4位指名をリーチとする論拠は概ね以下のような感じであろう。
 「2016シーズンのオハイオステートの先発はマーション・ラティモアとギャリオン・コンリーで、ウォードは3番手にとどまり先発を奪えなかった。もちろん先発は超ハイレベルなコンビで、実際にドラ1揃い踏みだったがラティモアは11位でコンリーは24位である。1年経験が浅かったとはいえ11位と24位から先発を奪えなかったウォードが4位なんてあり得るかい」と。

 ピタキン(注:一切浸透してません)ことピーター・キング氏が、今年のドラフト初日にクリーブランド入りしていたそうである。GMジョン・リンチ初年度のSFとか、遡って’07ドラフトのクリーブランドとか、彼が来栗すると後日譚が充実するのでありがたい。
 こちらの記事ではウォード指名の裏話が読めるが、大筋をまとめると

 1. DCウィリアムズに、チャッブとウォードのどちらが欲しいか尋ねたらウォードだった
 2. (現先発の)ギャレットもオグバも、あと2歩分時間を稼げればプレーが変わっていたであろうシーンが多い、つまり今必要なのは優秀なカバーマン
 3. ウォードがいればオグバがチャッブになれる
 4. ”We probably play the most press of any team in the league.”

 4番はGWの発言であるが、嘘をつくんじゃねえよコラ去年10ydクッションしか見た記憶ねえぞこの野郎!!(アウトレイジ後遺症)とツッコみたくなるのをぐっと我慢。今後プレスカバーを増やすなら些末な嘘といえやう。要するに、スピードのあるCBがいなかったので10ydクッションでごまかさざるを得なかった、と好意的に解釈する余裕を持ちたいものである。
 ブラッドリー・チャッブを欲しがった身でいうのもなんだが、原則論を申せば、GWのようなブリッツ多用守備を強化するためのアプローチには、片やブリッツを速攻確実に決めるためのDL整備、こなたブリッツが決まるまで耐えるマンカバーコーナー強化、の2通りがあって、一般的には後者優先である。なぜなら前者はスキームで何とかできないこともないが後者はタレントがいないとどうしようもないからである。

 ビッグボードっつってもいちいち全選手に順位をつけるのは報酬を受けているモッカーが仕事としてやっているに過ぎず、実際はTier(層)で捉えるのが一般的である。Tierの切れ目がどこにあるかはもちろんチームによるが、例えば4位から7位までの4人が同じTierなら、何位で指名するかよりも、同Tierの中でのポジション優先度、そして前後のチームの動向調査が影響する。単純に選手の能力から「4位ならリーチだけど7位なら適性」とかいうのはナンセンスである。
 といった裏側が垣間見えたのが今回のウォード指名といえる。ウォードは4位を含むTierに入っていて、他チームのニーズからして多少のトレードダウンは可と判断したものの交渉成立には至らなかったと。ならばその位置で一番欲しい選手を指名するほかない。

 公称5-10であったがコンバインで逆サバが発覚してCBの平均的な身長といわれる5-11の朗報。それでも先輩のラティモアとコンリーに高さでは劣るが、身体能力は軒並み上、というかコンバインはほぼパーフェクトな出来だった。
 5-11という身長はヘイデンと同じ。長身WRに対するマッチアップの不利を、ヘイデンは小生が手長猿と名付けたくらいの長い腕と抜群のタイミングの跳躍で補ったが、ウォードは純粋に尋常ならざる跳躍力で補える。全盛期のヘイデンのようにフリオやグリーンをシャットダウンできるかはわからぬが、ある程度の高さには対応できよう。

 今年、「1巡候補」の範囲で捉えればCBは数が多かったが、ピュアなマンカバーコーナーと呼べるのはウォードくらいのものであった。もう一人、コロラドのアイゼア・オリバーも同タイプと見ていたがプロスペクトとしては一段落ちで、実際にすばしっこいレシーバーへの対応力が疑問視されたのか2巡奥深くまでスリップした。
 18位で消えたルイビルのジャイア・アレキサンダーはマンカバーもいけるとの評判だが基本的にはゾーンヘビースキームで輝いた選手であり、(結果的に2巡にスリップした)アイオワのジョシュ・ジャクソンは今ドラフトベストのゾーンコーナーと言われた真逆の存在。
 大袈裟に喩えるなら、今年のCB市場におけるウォードは今年のQBプロスペクトにアンドリュー・ラックが混じっていたようなもので、スキル的には不安要素が最も少ないのがウォードであった。頭ひとつ抜けたポジショントップ選手にリーチなし。今考えた。

 ウォードのフィルムを見て特徴的なのは、一切振り返らずにボールを叩き落とすシーン。レシーバーの目の動きからボールの位置を読んで手を出すのは一流マンカバーコーナーに必須の能力であるが、ウォードのそれは、焦点を合わせるレシーバーの黒目の動きまで見えてるんじゃないかというくらいタイミングが絶妙である。
 インタビューを見ると非常に落ち着きがあって大人びたキャラで、素行にも問題がなさそう。地元愛が強くブラウンズに抵抗がない。もちろんCBというポジションの特性上、1年目は多少苦しむこともあるかもしれないが(ラティモアが異常なだけ)、今のところ隙は見当たらない。フットボール以外のことに興味があるかどうかはわからない。
 
 そして、これはもう断言してしまっていいと思うが、4位ウォードピックにはアントニオ・ブラウンへの意識が間違いなくある。今のABと常時1 on 1で勝負できるCBなんて存在しないと思うし、全体4位CBといえどもいきなりそれを求めるのは酷であるが、それでも「Sのサポートがつけば止められる」レベルには達していかないといけない。

 なお、B.チャッブが敵に回ったついでに掌返して申すが彼の3コーンは7.37で、ジョーイ・ボサは6.89である。直線的なスピードには長けているが横の動きはあんまり得意じゃないオグバでさえ7.26であった。チャッブがボサ級と思っている人には幸運を祈りたい。DENに行ったからにはシーズン5サックを上限に応援することとしたい。

Posted by karashimentai at 16:21│Comments(9)
この記事へのコメント
私もずっとバークリーだと言ってましたが、ウォードでディフェンスの核は揃ったので、そっちの方面でいってもらいたいです。
もともと、スターDBは欲しかったですし、ミンカの万能性はペッパーズで去年失敗してますからね。実際、ミンカちょい落ちましたし。ペッパーズにはSSで自由に動いてもらいたいです。
Posted by BYU at May 06, 2018 17:32
これだけドラフトとFAで使えば、暗黒期は抜けるでしょう。
バスト率が一番高いのがQBなので、メイフィールドには超一流でなくともフランチャイズになって欲しいと思います。

去年はQB固定に振り回されたので、今年は計画的に一年やって欲しいです。
基本的に一年は修行、テイラーがダメな時に格上げで良いと思います。
一度変えたら怪我するまで交換なしで。

今年勝てそうなのはいつも優しいLACをホームで。
あとホームはKC、awayは@HOU, DEN, TB。
地区内でどっか穴を開けないといかんです。
まずはキャッツですかね。
Posted by くろたん at May 07, 2018 21:46
mentaiさんにDENの選手を応援して頂けるなんて、感無量ですぅ。
例え、それが条件付きとはいえw
Posted by LiCaK at May 08, 2018 04:12
お邪魔します。
ジャーヴィス・ランドリーが、トレード・FAで獲得可能なWRの中から、メイフィールドに一番マッチしそうな選手を(お手頃条件で)一本釣りした。
という先見の明が在るなら、ウォードのピックも同様に、ユニットとしてD#の強化に最高に期待できる選手を選んだまで。で、堂々としてて良さそうに思います。
去年のラティモアと比べるのは
Posted by brkn at May 09, 2018 01:41
すみません、暴発しました(>_<)
去年のラティモアと比べるのは、ギャレットをスルーでトレードダウンしてラティモアとるべきだったと言っているのかな?という気がして、それが正解なの?と疑問を感じました。
選手間の相性やユニットとしてのバランス、完成度が「勝つために」重要なファクターなのがアメフト(チームスポーツ全般そうだと思いますが)なので、ドラフト順位とバリューにこだわって選手を集めるのを目的にしても、それは上手くいかなさそうに思います。
プロボウルに何人送り込めるかじゃなく、何勝できるのか?で量って良いかと思いますので、mentaiさんの考察は正しいと思いました。
Posted by brkn at May 09, 2018 01:51
ドラフト直後はチャッブW獲りが良かったなぁと思いましたが、今はウォードで正解だったような気がしています。そして、今年一気にPO進出を夢見てます。
Posted by コリンズ推し at May 09, 2018 15:20
ウォードは悪くない気がする、前年のコンリーよりも素行面での問題は少なそう。計算できるCBになれると思う。ウォードがいればオグバがチャッブになれるというのは少し言い過ぎ。深夜に書いたラブレターのように後から思いだすと恥ずかしい結果になると思う。
Posted by vinta at May 09, 2018 15:51
>BYUさん
ミンカはずっとFSとして考えていて、CBとして考えているならウォード優先と思っていたところがあり、その点はよかったです。
4位でのエースCB獲得とSSペッパーズは、なかなかのハイリスクハイリターンですねえ。

>くろたんさん
いやあ、こんだけ使えばね。ほんと頼みますw
まずは地区内3勝3敗を目指してほしいですね。特に今年のBALは1つは叩きたい。さすれば8勝も見えてきます。

>LiCaKさん
5サック以上暴れたら一気に親の仇ですw

>brknさん
ブラウンズのラティモア指名の可能性というより、単に順位の話ですかね。
今年はCBピックに関する駆け引きはあれどウォードだけは真っ先に奪われる、そんな立ち位置だったかなと思います。
今のブラウンズはとにかく当たりさえ引けば多少の指名順位などどうでもよい、という状況なので、ウォードはCBにしてはかなり計算しやすい、いいピックだと思います。

>コリンズ推しさん
いや、POはw
CBなので少し時間はかかると思いますが、ウォードは割と即戦力っぽい気がしている選手で。去年好きだったTホワイトも1年目から活躍したのでちょっと楽しみです。

>vintaさん
チャッブはギャレットよりもオグバタイプ、という点ではその通りだと思いますけどね。
補強の効果は数字に現れるはずですから楽しみにしています。
Posted by mentai at May 13, 2018 15:49
今年こそ期待して(何をだ❗)良いのでしょうか?それもこれも前半戦にかかっていると思いますね😅今度こそ勝利して欲しいものですね。
Posted by ぶち戌 at May 14, 2018 20:03