May 05, 2016

2016ドラフト結果論(1):ブライルズリスクとリターン

 OLBスコット・ソロモンとWRサーリム・ハキームをカット。ハキームは先日加入したばかり。
 いずれも、今回のドラフト結果を受けてはやむなし。

 UDFAについては、もうぼちぼちチームの公式発表があっておかしくないタイミングであるが、まだなので出たら。

 一人ひとりやってたら絶対に途中で飽きるので、ある程度束ねて紹介していく予定ですが今回はドラ1に敬意を表して単独で。

1-015 WRコーリー・コールマン(ベイラー) 5-11/194
 【昨季】 74捕球1,363yd(平均18.4yd)20TD、ラン22回111yd
 【コンバイン等結果】 http://www.mockdraftable.com/player/5932/

 ドラフト前夜の予想は惜しかった。「自分の希望通りにいかない」ことを予想の拠り所とするなら、トレッドウェルではなくコールマンにすべきだった。トレッドウェルは、ドットソンとそんなに変わらないレベルで欲しかったから。これがいわゆる馬券下手というやつであろう。
 かくして、希望とは全然違ったコールマンがやってきた。

 1年次もそれなりに出番はあったが主力になったのは翌年からで、この年(2014)は64捕球1,119yd(平均17.5yd)11TD、そして昨季は上の通りのスタッツで大暴れしてのアーリーエントリー。昨季の20TDはWRとしてFBS最多。レシーブ平均ydも優秀。
 そういやヒューは過去のインタビューで、欲しいWRについて「ビッグターゲット」以外に「タッチダウンを多く取れること」にも言及していた。超ストレートに指名に反映された格好である。
 コールマンは縦へのスピードに加えて、跳躍力やゴー&ストップなど、すべての動きが一級品で、総合的にはナンバーワンアスリートとの評価。オープンフィールドでボールを持ったら一人目のタックラーは絶対にかわす、くらいの期待感を抱かせる選手である。
 運動能力だけならトラベン+シェパードくらいの評価を下していいと思われるが、オープンになる能力とはまた別。例えばトラベンやゴードンのような驚異的加速の印象はなく、ピュアなディープスレットとは言いがたい。

 とまあアスリートとしては疑いようのない大物なのであるが、以下に示す3つの懸念をどこまで深刻に捉えるかでコールマンピックの満足度は大きく変わるであろう。

1. キャッチ
 Draft Breakdownにあがっている8本の動画やワークアウト動画などを片っ端から見て、小生なりに下した結論は「コールマンはキャッチが苦手」である。
 落球が多いことは別に動画を見んでもどこぞのスカウティングレポートに書いてあるが、加えて、競い合いのボールをほとんど捕れない問題がある。コールマン動画であまり興奮できない一番の原因であった。
 だからOBJと同じサイズじゃんなんて楽観視したらいけん。ワンハンドどころかハンドキャッチ自体が不安定であり、OBJのようにサイズ不利を覆すものは持っていない。高い跳躍力もパスレシーブには活かされていない。よって完全にセパレートできないとコールマンは働けない。

2. ルート
 ブライルズは、昨年ブライス・ペティの告白でちょっと有名になったが、選手にプレーブックを与えない。選手には複雑なことを要求せず、コールをシンプルにすることでアサイメントミスを減らすことを優先している。
 また、ブライルズオフェンスの中心はあくまでランのため、コールマンのアサイメントはさらにシンプルなことになっており、ルートはスラント、スキニーポスト、縦、くらいしかやっとらんのではないだろうか。あとはヒッチやらスクリーン系やら「捕ってからが仕事」のプレーばかり。
 とはいえルートについてはまあ、現段階では未知数なだけである。ルートが少ないまま活躍できてしまう怪物先輩ゴードンのようなパターンもあるし、プロ入り後克服する先輩ケンドール・ライトのようなパターンもある。でも最悪スティーブン・ヒル。

3. ランブロック
 能力以前に、ほとんどやってない。
 前に興味があって調べてみたうえで今回のコールマンチェックで確認できたところだと、ブライルズのオフェンスは、片側に3人集めた4WR セットから、OL5人のみのブロックによるインサイドゾーン、ボックス内の相手が6人以上であればバブルスクリーン、がベースプレーである。
 ブライルズオフェンスの一番の特徴と言われているポイントとして、WRのセット位置がセンターからめちゃめちゃ離れている。両ワイドアウトはヤード表示の数字よりも外という、文字通りの「スプレッド」である。WRがランブロックせずともランプレーが阻害されないための単純明快な方法である(なおオフタックルからアウトサイドへのランプレーは極端に少ないらしい)。
 またバブルスクリーンにおいては、コールマンは当然のようにというか、大抵レシーブ係なのでむしろカバーマンに近寄っちゃいかん役回りである。
 味方ボールキャリアーがダウンフィールドに出た時に、タックラーの走路を邪魔して先導する意識はうかがえるので、ヒューたちはそれで充分と考えているのかもしれない。ランブロッカーはこの後に指名してるし。


まとめ
 ブライルズは、とにかくフリークをかき集め(これは本人が公言)、彼らを野に放って自由奔放に暴れられるシステムを駆使して勝ちまくる。フリーク共に細かい仕事をやらせること自体が全く本意でないように映る。
 3年前のベイラーに、レイク・シーストランクというとんでもないフリークRBがおったが、これがまた細かい仕事が何にもできないもんで、現在早くもNFLを干されてストリートFAとなっている(もっとも指名も6巡と低かったので、リスクは認知されていた模様)。彼なんぞブライルズが命を吹き込んだ典型例といってもいいであろう。
 結果としてベイラーはそれで勝ちまくっているので否定されるべきものでは当然ないが、さてドラフトになるとブライルズさんトコはちょっと注意したほうが、てな流れがあるように感じられる。
 コールマンは、シーストランクはおろかケンドール・ライトよりも実績があるし、ブライルズ門下のスキルポジション出身の中では”完成された”部類であろう。ただしそれがどの程度のリスク低減を意味するのかは不明である。

 ブラウンズは、ウィル・フラーを指名したHOUと違って「エース」を必要としており、個人的にトップ指名するWRには50/50ボールを何とかしてくれる能力を求めていたため、コールマン指名に対する落胆は半端なかった。
 ただ、50/50能力はゴフがいなけりゃ活きないのも事実で、ゴフを獲り損ねた時点で崩れたプランではある。その挙句のコールマンなら、もうそういう路線なんだろうなと見守るしかない。
 ところでライトの最近の低迷はオフェンスシステム変更と無縁ではあるまい。コールマンも、システムが変われば一気に活躍の場を失うタイプであろう。まあ数年後に上で決まっちゃうことは仕方ないから、ひとまずライトの1、2年目(この時のOCは汁の友達ダウエル・ロギンズ)の活躍を最低ラインに設定し、コールマンにおかれては少なくともこれを超えることを望むものである。極端な話、チェックダウンからビッグプレーを生みだしてくれればアタリということであろう。


余談
 ライトがちゃんと働けていた当時のQBジェイク・ロッカーとコーディー・ケスラーは、スティーブ・サーキジアン(ワシントン大HCからUSCのHCへ)で繋がっている。で、このカンファレンスはヒューもペップさんもたいへんに馴染みである。このあたりのプレースタイルや相性も考えられているのかどうか、今年のオフェンスを見ながら時間があれば読み解きたい。

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この記事へのコメント
ブライルズオフェンスの解説ありがとうございました。ウチがシーストランクを6巡で指名した時、とんでもないホームランヒッターを手に入れたと狂喜したんですが、開幕ロースターはおろかPSにも入れてもらえませんでした。「勝手に動き回る」というのが見放された理由だったと記憶してますが、ブライルズオフェンスにその源流があったことがよく分かりました。
Posted by ソフィア at May 05, 2016 10:48
「勝手に動き回る」w まさに自由奔放w
ベイラーはそれこそRGIIIあたりから、やたらトップアスリートが多いなーということで気になり始めたものですが、深入りしてみるとなかなか面白かったです。
とはいいながら、ドラフトの段階では基礎的な能力は超重要ですからやっぱり魅力ありますねw
Posted by mentai at May 05, 2016 23:50