March 15, 2015

オジーかよ

 FA4日目及び5日目。
 何もありません。
 ここまでくると、「誰もブラウンズに来たがらないから」という冗談で片付けられる範囲を超えている。如何なブラウンズとて、カネさえ積みゃ来る選手はいるはずであり、これはもはや何らかの作戦と考えざるを得ない。

DT ジョン・ヒューズと4年14.4Mの契約延長に合意
 現契約は今年まで残っていて、今回契約したのは16以降のもの。よって2019年までの契約。
 ブラウンズ唯一といってもいいくらいに抜きん出たランストッパーだが、昨年は5試合出場のみでシーズンエンド。彼の離脱がラン守備ビリッケツの大きな原因になったことは間違いなかろう。
 このタイミングでのヒューズとの契約延長は、フロントがラン守備問題をしっかり意識していることの証。それでいてナイトンを完全スルーしたってことは。


WR ドウェイン・ボウ訪問
 ブラウンズが興味を示しているという報道は数日前から出ていたが、メアリーケイ女史によると、現地の今週土日にブラウンズを訪問予定。
 ブラウンズにとっては十分ビッグネーム。QBの荒れ球を打ち消す捕球力がないという点でエースには物足りないが、もし加入すれば暫定トップデプス。昨年のKCはWRのTDレシーブが1つもなかったことで注目を浴びたが、まあ9勝しとるからね。アンディ・リードがWCOを極端にデフォルメしただけと思えば、その点はあまり心配していない。
 でもってこのニュースの最重要ポイントは、ボウもまたカット組であるということ。
 ナイトン無視、ヒューズとの契約延長、などと相俟って、ここでハッとなって、もしや、と思ってネットを漁ったらやはり深く分析されている専門家の方がおられた。


補填ピック作戦
 前段として、今年のブラウンズは久々に、補填ピック対象に引っ掛かり得る大物UFAが大量発生。ホイヤー、キャメロン、ルービン、シアード、バスターの実に5名がその可能性を有していた。これほどの数となると久々どころか新生後初であろう。
 Sportracと並んで、選手の契約内容やチームのサラリーキャップ情報収集でお世話になるOver the Capのこちらの記事よると、現時点でルービン(未契約)を除く4人はしっかり上位32名(補填ピックは32ケまで)の安全圏内に名を連ねている。ルービンも今後の契約次第ではこのリストに載るかもしれない。
 記事はとりあえず契約金の年平均額順に並んでいるが、補填ピックの配賦は実際はもっとクソほど複雑な計算で、かつFAの出入りの差し引きで決まるのでまだまだ未確定ではある。

 そして補填ピック作戦に言及しているのがESPNクリーブランドのトニー・グロッシ氏。一週間近くも前に素晴らしい分析記事をあげていた。
 補填ピック作戦とは、つか勝手に作戦名つけといて「とは」もへったくれもないが、単にFA市場で動かないことを指すのではない。出ていくFAをカット組で埋めるのが作戦の肝である。なぜなら補填ピックの差し引き計算に、カット組の契約は含まれないからである。
 グロッシの記事にある通り、これはBALのオジーGMがよく使う手法である。キャンプでビッグネームがカットされて、ファンが「獲れ!」と反応すると、持っていくのはいっつもオジーである(被害妄想)。
 記事でのオジーの発言にあるように、キャンプ中のカット組を待たなければいけないお祈り要素はあるし、また獲得時期が遅いのでチーム戦術理解が遅れるリスクもある。ただ、その時期に有力選手がボロボロ零れるのは例年のことであり、実績のある選手をFA市場よりも格安で獲得できるチャンスでもある。
 補填ピックはトレードできない。補填ピックはそれ自体の価値よりも、オリジナル指名権のトレード(アップ)自由度を高めることに価値がある。

 
作戦の合理性
 以上の作戦趣旨を踏まえてブラウンズに落としこんでみる。
 そういえば小生も、補填ピックをもたらし得る今回の5人衆の誰一人として残留予想を立てていなかったし、絶対残せとも思っていなかったくらいだから、本作戦を敢行しやすい状況ではあった。
 具体的に、彼らの穴がFAで埋まらなかった、あるいは埋めなかった場合の現有戦力を再検証してみると以下の通り。

<FAで抜けた穴>
 QB:不在だが、マカウンを押さえつつ市場が不作。居ないもんはどうしようもない
 TE:不在。大問題。だからこそここだけは動いた形跡あり
 NT(ルービンをNTと捉えた場合):ヒューズとの契約延長はそういうことなのでは
 3-4DE(ルービン以下同文):テイラーとビリー。よりフィットする選手は欲しい
 パスラッシャー:もしかしたらもしかしてスコット・ソロモン
 CB:去年のドラフトで次世代2名確保+ケイヲンが予想外のブレーク

<その他の穴>
 WR:カット組で補充中

 というわけで、補填ピック作戦ありきで好意的に見直すと、穴は今年のドラフトで賄えないこともない。もちろん劇的な戦力アップにはならないが、だからこそキャップルームを抱えたままカット組を待てる。それでいて2016ドラフトのフットワークが軽くなる。
 ただ不確定要素はやっぱりQBであろう。ウィンストンとマリオタがワンツーフィニッシュを決めてくれれば心置きなく一つ一つの穴埋めに没頭できるが、トレードアップして届く位置までスリップしてきたらいろいろ計画が崩れそう。そうなったら崩すべきだけど。

***

 本当にこの作戦を採っているのかどうかは、最終的にはキャンプに入ってからでないと見えてこない。夏にベテランカット組をひょいひょい拾い始めたらア・イ・シ・テ・ルのサイン(古

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この記事へのコメント
流石はmentai氏です。慧眼、お見それしました。
ドラフト指名権一つなくなるかも知れないので、補填ドラフト枠が貰えれば帳消しになりますね。
ボウがダメなら、グレッグ・ジェニングスという手もあるかなという今日このごろ。
不作なQB市場ですが、T棒の名が上がってこないのが不思議です。
ドラフトですが、仮にマリオタではなくウィンストンが下がってきたら悩ましいですね。1年生でハインズマン+アーリーエントリー+素行不良って、何処かの誰かさんじゃないですか。流石に素行不良な連中は抱えたくはないというのはあります。
Posted by フリ歩 at March 15, 2015 19:11
あと、不確定要素はハズラムですかねww
今年も死亡、もとい辛抱のシーズンが予想されますから、
表面的な成績に惑わされて、ペティンカットという事になったら目も当てられません。
Posted by フリ歩 at March 15, 2015 19:30
補填ピック作戦、こういう視点がありましたか!
読み通りであって欲しいですし、そうでないと非常に困る。
Coxもスルーしましたし、更に可能性は高まりましたね。

ただし、仮にピックが増えたといっても、ドラフトのヤラカシが危惧されますので、
全く安心できないところが非常に悲しい。


Baldinger氏のMockで、#12でMariota予想と出てしまいました。
お願いだから、今年は種まきに徹して!

Posted by redhotburger at March 15, 2015 22:28
redhotburger氏へ
今年のドラフト巡をチェックしてみたら、ブラウンズよりも上位でQBを取りそうなところは、バッカニアーズ、タイタンズ、ジェッツといったところですね。バッカニアーズはさておき、タイタンズはメッテンバーガーの評価次第によっては取らない可能性もあります。(カトラーを交換する気であればベアーズとも考えられますが)
と、なるとキーポイントはジェッツということになります。流石にフィッツパトリック&ジーノ・スミスとのコンビで通すとは思えないので、ジェッツで売り切られる可能性が大だと思います。
……本当はQBの心配は昨シーズンで終わりだったはずなんですけどね。
Posted by フリ歩 at March 16, 2015 18:02
オジーと聞いて

この手法はファンの間には知れ渡っています。
実際最近Kendrick LewisというSをFAで取ったのですが,カット選手じゃないので
Why the Ravens made a move they usually hate
という記事が公式HPに載る始末ですw

しかし思うように補強できないリスクがあるのでキャップが苦しいチームが苦し紛れにとる手法という認識です。
実際補強ポイントがら空きのまま開幕というパターンは結構あるように思います。
Posted by 白鯖@BAL at March 16, 2015 23:28
mentaiさんや、ネイチャーさんが去年推していた、タックルする川谷拓三…こと、クリス・ボーランドが引退するそうです。

アーリーリタイアが流行っているのか。ってか、49ersが崩壊気味です。。


Posted by vinta at March 17, 2015 14:54
>フリ歩さん
ナイスタイミングでティーボウの名前出てましたねw 幸いウチじゃないですが。
もしボウが加入したら、WRのドラ1が消滅するのかどうか気になりますね。
ウィンストン落ちてきたらいくだろうなあ。

>redhotさん
トラモンはUFAですが、スタークスもカット組で、どうやら意識はしているようです。
ただ仰る通り、ドラフトで当てていかないと続かないですからねー。
12位マリオタとは、モックとはいえ思い切ってますねw

>白鯖さん
ファン以外でも知っているくらいですからw 原資がないブラウンズには本当に縁遠いです。軌道に乗らないとなかなか継続できないですね。
この手法の特徴は
「FAで穴埋めしてドラフトの自由度を高める」従来のオフの理想形とは逆で
「ドラフトで穴を埋めてFA(カット組)獲得の自由度を高める」という動きになりがちなところかなと思っています。
ドラフトがポジションニーズ寄りになるので、ファンにも受け入れられやすいですかね。

>vintaさん
これは衝撃大きかったです。
「ハーボウの呪い」みたいに後世に語り継がれる年にならなきゃいいですが…
Posted by mentai at March 17, 2015 21:57